宮田芳文さんにインタビュー
第一生命保険株式会社常務執行役員、資産管理サービス信託銀行株式会社代表取締役を歴任され現在EATビジネススクール講師をされている宮田芳文さんにインタビューを行いました。
Q1審査員としてYBCに参加する学生に期待することは何ですか?
A
起業することも大切ですが、企業に入社しても、
①ビジネスのアイデアを考え
②それを、実現できるように、深く調査すること
③人がどう感じ行動するのか?
こうした経験は、必ず様々な局面で役に立ちます。
Q2組織づくりをするうえで心がけていたことは何ですか?
A
組織は、まずコミュニケーションが大切です。特にリーダーには正しい情報が入りません。
正しい情報を集める努力が必要です。情報収集できる仕組みを作ることも大切ですね。
社員が、Have to(やらされている、仕方なく)業務に取り組むのではなく、Want to自ら主体的に業務に取り組むように、運営していくことに注力してきました。
企業の業績は社員一人一人(家族も含む)の努力と協力で成り立っているという認識で業務に取り組むこと、タコつぼにならないように、組織間の異動を積極的に実施する、後輩を育てる風土つくりが大切である。
正社員、派遣社員で区別せず、優秀かどうかで判断し、優秀な派遣社員は、積極的に正社員に登用してチームリーダーとして活躍してもらうこと。
今まで男性中心に築いてきた企業文化を女性の登用で積極的に変えていき、本当の意味で、女性の感性や意見を大事にする風土を作っていくこと。
Q3コロナ禍で変化の多い現代社会で今後求められる力は何だとお考えですか?
A
リアルからリモートの運営に、企業や学校、個人のライフスタイルが大きく変わりました。
「不安定」「不確実な」VUCAの時代に、未来を予測するのが非常に難しい状況で、
今までのデータを分析して、解決策を求めるのではなく、(正解は、一つだけではない)
現状とあるべき姿のGAPから、問題を発見していく構想力が求められていると思います。
従来のように、サイエンス主体で問題解決能力が大きく評価される時代から、アートの要素を加味して「未来予測」から「未来を構想」していく力が求められます。
この構想力を高めるためにリベラルアーツがますます必要とされると思います。
(インタビュアー:都築詩音・向後佑里子)
宮田芳文(みやた・よしふみ)
2020/2021YBC審査員。
1978年横浜国立大学経済学部卒。
元第一生命保険株式会社常務執行役員。
元資産管理サービス信託銀行株式会社代表取締役副社長。
前一般財団法人富丘会理事長。横浜国立大学公友会副会長。
EATビジネススクール講師。